温泉寺
下呂温泉に伝わる白鷺伝説の薬師如来像が祀られたお寺。下呂には昔、湯ヶ峰から湧き出した温泉が突然止まってしまい村人が困りはてていた時、薬師如来の化身といわれる白鷺が舞い降りて、新しい源泉を村人に知らせたという伝説がある。ここには、寛文11年(1671年)に臨済宗妙心寺派の禅寺として建立され元禄期以降、蝦夷地開発に力を尽くした武川久兵衛のお墓があることでも知られている。また、紅葉の時期にはライトアップが行われ、夜の散策も楽しめる。
禅昌寺
平安時代の創設といわれる臨済宗妙心寺派の禅寺。中国宋朝の様式を伝える建築物は「天下の名刹」として威容を誇っている。境内には金森宗和が造園した名勝指定の庭園「萬歳堂(ばんざいどう」や茶室、雪舟筆の大達磨像等多くの寺宝の他、樹齢1200年を数える国指定天然記念物の大杉など見どころ満載。予約すれば座禅体験もできる。
久津八幡宮
創建は1600年ほど前とされ、1412年(応永19年)再建の本殿は、1581年(天正9年)再建の拝殿とともに国の重要文化財で、中世の代表的な建築様式を今に伝えている。本殿南側の妻に施された「鳴いたウグイス」や、拝殿軒の「水呼ぶ鯉」は飛騨の匠の手により作られたもので伝説のある彫刻。また境内の夫婦杉は樹齢約1200年で国の天然記念物に指定されている。
玉龍寺
江戸初期に飛騨国主であった金森長近が再興し、金森氏三代の石碑が建立される。秋には100本を越える5種類のもみじが境内を真っ赤に染めることから、「もみじ寺」とも呼ばれている。もみじは京都より移植、庭は金森宗和作。彫刻としては貴重な、鎌倉時代の仏師(恵心僧都)による左脚を踏み下げる木像の如来像がある。学術的にも貴重な左巻きの榧(カヤ)がある。
お美津稲荷
美人ぎつねの伝説がある稲荷。商売繁盛の神様として信仰を集める。毎年2月2日〜3日には節分祭が開催され、多くの人でにぎわう。
浄福寺
浄福寺の山門をくぐると、左手にしだれ桜がある。この桜には、梵鐘とは切り離しては語れない由来がある。享和3年(1803)春、浄福寺の梵鐘が、江戸新吉原の女妓楼、山城屋等によって寄進され、江戸よりはるばる飛騨の山中へ、運ばれることになった。このとき、遊女たちの希望によって、新吉原の夜の艶を添えていた桜の一樹が、梵鐘と共に小坂へ運ばれ、鐘楼の傍らに植えられたといわれている。別名「遊女桜」ともいわれ、地上近くまで枝を垂れ、毎年美しい花を咲かせている。飛騨美濃サクラ33選。
東林寺
東林寺(浄土真宗)の本堂は享保7年(1723年)江戸時代幕府八代将軍徳川吉宗の時代に建てられたもの。内部の格天井(ごうてんじょう)には112枚絵が描かれている。その中の1枚に寛延4年(1752年)と記されているが、描いた人は定かでない。1枚の絵に大きさは、約1m四角に描かれたもので、内陣よりの2列(28枚)は花が描かれ他の84枚は故事、俚諺(りげん)人物、動物、静物が画かれ、270年経った今でも鮮やかな色彩を保っている。