■ こうして こなつの渡豪準備はすすめられていきました! ■

 
   
オーストラリアの厳しい検疫
「犬をオーストラリアに輸出したいのですが・・・」

こう言って、いったい何箇所に問い合わせをしたことでしょう。
オーストラリア大使館、成田国際空港の検疫所、関西空港の検疫所、関西空港の通関窓口、航空会社、通関関連会社・・・・。
どこに電話しても必ず言われた言葉「オーストラリアですか・・・大変ですね」。
「あまりの厳しい条件に、輸出を諦める方もたくさんいらっしゃいます」と言われたこともあった。

渡豪に向けてまず最初に入手した資料は、A4で3ページにおよび医療用語や専門用語が並ぶ。
各検査やワクチンには有効期間があり、綿密にスケジュールをたてないことには、せっかく受けた検査やワクチンも期限切れでNG、やり直しとなる。
”オーストラリアに動物を持ち込むな”と言っているのも同然。どうしても持ち込みたいと言うなら、お前達の情熱がどれほどのものか試してやる!
そう言っているのかも知れない。
そうだ!私達のこなつを愛する情熱を見せつけてやる!なにくそっ、負けてなるものか。

詳しい検疫情報の
入口はこちら
 
 



渡豪までの費用は、およそ 50万円
1A$=70円
発生場所 内    容 豪ドル(A$) 日本円(\) 備  考
日本 輸入許可申請料 60 4,200  
検疫所手続き 12 840  
検査(1頭) 68 4,760  
書類審査(1頭) 30 2,100  
輸送(到着空港〜検疫所) 95 6,650  
検疫期間の預かり料金(A$16/日)  480 33,600 最低の30日分で計算
その他の治療費・看護代金 520 36,400 *概算
日本 航空運賃・通関料   300,000 *概算
日本 マイクロチップ   0 *調査中
不妊・チェリーアイ手術 235 16,450  
フィラリア治療 200 14,000  
ボルデテラのワクチン接種   0 *調査中
日本 検査・ワクチン・駆虫など    0 *調査中
日本 空輸用クレート   56,000 *定価
日本 搬送費(京都〜関空)   17,580  
日本 通信費・他   50.000 *概算
 合計 1,700 542,580  






こなつ渡豪までの軌跡

■マイクロチップの埋め込み
渡豪の絶対条件であるマイクロチップを7月11日挿入。

■公的機関による血清検査
ブルセラ病・エ−ルリッキア病・レプトスピラ病の検査で陰性が絶対条件。
特に、ブルセラ病とエールリッキア病で陽性だった犬はその後治療によって陰性になったとしても輸入してくれない。 8月9日、血液採取を行い横浜検疫所に送る。
結果は8月20日頃にでる予定。

■外部寄生虫駆除
エールリッキア病検査のための血液採取から24時間以内に外部寄生虫駆除予防処置をする。8月10日、外部寄生虫駆除予防の処置済。

■ワクチン接種(1)
ジステンバー・伝染性肝炎・パルボウィルス・パラインフルエンザの予防接種が必要。
7月18日、5種混合ワクチン接種

■ワクチン接種(2)
ボルデテラに関しては、日本には単独での接種ができない。7種・8種混合ワクチンが存在するが、混合ワクチンにはレプトスピラ病のワクチンも含まれてしまう。レプトスピラを含んだワクチンをうってしまうと、血清検査の数値があがってしまうため、渡豪直前のこなつに混合ワクチンをうつことは出来ない。
ボルデテラに関してはオーストラリア到着後の接種も可能とのことなので、今回はこの方法をとった。

■狂犬病予防接種証明書
持ち込み条件のひとつに、「過去6ヶ月以上日本で飼養されていたこと」の証明が必要となる。畜犬登録や治療履歴などが証明書として有効だが、それらはこなつにはなかった。唯一の証明書となる狂犬病予防接種証明書をもって、こなつの日本での飼養記録とすることになった。

■空輸用クレート
空輸の形態は、IATAの規格を満たしている容器(ケージ・クレート等)に限られる。
こなつはそれまで金網のケージで生活していたため、輸出用の バリケンネル700を購入し、8月7日よりその中での生活を始めた。

■チェリーアイ
チェリーアイとは、瞬膜の分泌腺が脱臼した状態になり、見た目がさくらんぼのようになるので通称でこう呼ばれているもの。
原因としては、遺伝的な要因と、環境的なものの両方が考えられる。不潔な環境で、爪などのケアをされてない場合、目頭を前足の長い狼爪でこすって傷をつけ、それが雑菌などで炎症を起こしてしまう場合などだ。腫れあがってしまって脱臼を起こした場合、自力では治らない。

外科的手術が必要。過去には露出した瞬膜の切除を行う手術が一般的だったが、近年では少しずつ押し込む形式を取ることが多くなっている。瞬膜内の神経を切断することで、涙腺に影響を及ぼす危険性を考慮しているため。この手術形式の場合、手術は数回に分けて行う。出来れば同じ獣医師によって経過を見ながら行うことが望ましいと考えられるので、こなつの手術はオーストラリアに渡ってから行う。

■避妊手術
当プロジェクトでは、一時預かり里親になる条件として不妊手術を挙げてる。
今回保護された犬たちは、元所有者の経済利益のためにテーマパークに出されたり、ペットショップでの販売のために乱繁殖されたりと、散々利用されてきた経緯を持っている。その繁殖姿勢にも、当然気をつけなくてはいけないはずの遺伝疾患や環境への配慮は、一切されていなかった。

保護に当たっては、人間側のエゴによる繁殖に供されることが二度とないよう、不妊手術の徹底が必要だった。同時に不妊手術によるメリットを犬たちに受けさせたいこともある。不妊手術によって、高齢になった純血種が異常に高い確率で罹患するという生殖器関係の疾病(悪性腫瘍等)からの開放が目的。乳腺腫瘍や子宮蓄膿症に罹らずに健康な長寿をまっとうする確立は、宝くじに当たる確立に近いものだ。

私たちは、劣悪な環境におかれ、ただでさえ不健康な要因を持たされてしまった今回の保護犬の全てに、出来る限り健康で長生きをしてもらいたいと望んでいる。そのため、不妊手術の徹底を行っている。こなつはオーストラリアに渡ってから避妊手術することを豪グレートデン・レスキュー及び里親候補の方と約束をした。

■フィラリア検査で陽性
獣医師によると「親虫はいるが数はそう多くないであろう」との見解でした。
フィラリア親虫の駆虫方法は2つ、手術か注射。
注射での駆虫方法は、オーストラリアが開発国であり技術的にも進んでいる点から、駆虫せずに輸出しオーストラリアで駆虫処置をしてもらうことで合意しております。



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