社団法人 日本警察犬協会御中 2004年1月15日
単犬種レスキュー連絡網設置に関するお願い
●請願内容●
「社団法人日本警察犬協会」の手で、ジャーマン・シェパードの単犬種レスキュー連絡網発足設置をしていただきたくお願い申し上げます。

■請願理由■
警察犬や軍用犬、麻薬犬など信頼性の高い使役犬として、ジャーマン・シェパードは小学生でも知っているほど社会に浸透しています。また歴史上でも、人間のかけがえのない伴侶であるこの素晴らしい犬種に魅せられた人は少なくありません。欧米では、常に上位人気犬種としてランクインしています。
ですが残念なことに現在の日本では、1頭の優れたG・シェパードの陰に、多くの不幸なG・シェパードたちが存在します。まるで工業規格品のように命が大量生産され、その中の多くの犬たちが低品質という烙印を押され、さまざまな方法で処分されてきました。それらのことは業界内では当たり前となっていても、なぜか一般には知らされてないことでもあります。
そしてこの現実を一番憂えているのは、G・シェパード愛好者たち自身です。なぜなら、G・シェパードを愛するからこそG・シェパードと共に暮らし、生活に密接に関わっている場合が少なくないからです。みな、無益に処分されていく犬たちを前に、心の底では何かが間違っていることを知っているのです。
ただ私たちの生きるこの時代は、生命の大切さに気付き、使い捨てたり無駄に処分することを恥ずべき事と感じる高い感性を持つ人が、増えてきている時代です。

人間社会への貢献度が最も高いことで知られ、またその見返りが最も少なかったかもしれないG・シェパードという優れた犬種。彼らの一番身近で活動されてきた貴団体が率先して救済の指揮を取ることは、社会的貢献度や理解と共に尊敬を持って受け入れられることは間違いありません。
実際、愛好者であれば、犬種独特の疾患や傾向、性質、状態など、現実的に対応できることは少なくないものです。そうした愛好者による単犬種レスキューは、動物先進国である欧米ではすでに数多く設立されており、登録団体による併設など、安易な繁殖に対する警鐘と共に重要視されている活動のひとつです。単犬種展覧会などでは一般愛玩犬であってすら、必ずその犬種のレスキューがブースを出し基金を募っています。また、展覧会の中に、レスキューされた犬達の行進イベントが盛り込まれている場合も少なくありません。
時代は命の大切さを、ことさらのように唱えています。それなのに、片や家族だ、大切だと言っている犬の命を平気で捨てています。これでは子供達も混乱しますし、命を大切にしようという気持も薄れてしまうことでしょう。
どうか、この愛すべき使役犬種たちへの感謝の意味も含め、繁殖をする際には、保護も行なうということを各クラブに通達していただき、いまだかつてない全国規模のG・シェパード救済ネットワークの設立をお願いします。
彼らを守ることができる力を持つ日本警察犬協会の手によって、新しい時代の先陣を切り、救済への指揮を取っていただくことで、他の多くの犬種レスキューが設立追従できる環境となることを期待しています。
これからも日本を代表する最も優れた畜犬登録団体として、業界をリードしていただくことを願ってやみません。


::: 請願書提出の経緯 ::::