古市街道
近世、伊勢神宮へ集団参宮する「おかげ参り」が盛んになり、最盛期には480万人を数えた。このおかげ参りとともに、内宮と外宮とをつなぐ参宮街道沿いに発達したのが古市の町である。現在、参宮街道沿いには、嘉永4年(1851年)に建てられた旅館・料理屋「麻吉」があり、往時の古市の栄華を偲ばせている。木造5階造で、各階は古風な階段や廊下で結ばれている。その他、近くに「伊勢音頭恋寝刃」の主人公、お紺と孫福斎の墓のある大林寺や、乞食月僊で名高い寂照寺等がある。また、近年開館された伊勢古市参宮街道資料館は必見。
熊野街道・初瀬街道・参宮街道
大和朝廷が確立し、伊勢神宮が神威を増すにつれ、人々にとって伊勢は次第に憧れの場所となった。やがて、大和と伊勢を結び、後に伊勢本街道とも中街道とも呼ばれる「初瀬(はせ)街道」が開かれ多くの人や文化を流通させる動脈となった。都が奈良へ京都へ移り変わっても、伊勢への道が開かれた。玉城町はこれら3街道の合流地であり、熊野街道の起点でもあります。