仲町伝統的建造物群保存地区
藩政時代の弘前城下は、上町・仲町・下町の3区域に分けられていた。城の東南部を指す上町は上級武士の町。下町は城の西部一帯、岩木川までを指し、比較的下級の武士たちが住んでいた。若党町を中心とする仲町は御家中屋敷と呼ばれ、住居構えに武家屋敷としての街並が色濃く残されているため、昭和53年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。県重宝の旧伊東家と旧梅田家、そして県重宝の旧岩田家が一般に無料公開されている。
中町こみせ通り
城下町時代、秋田から蝦夷・松前へ抜ける街道の中間にあったため、物資の交流など商業が大いに栄えた。豪壮な構えの商家・造り酒屋の妻入りや平入りの屋根のラインが、雪国独特の木のアーケード“こみせ”の上に姿を見せ、独特の景観を見せる。昭和62年に「日本の道百選」に指定、平成17年7月には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
禅林街
全国でも珍らしい禅宗(曹洞宗)の寺院33ヶ寺が集合している地域で、一般に禅林街として知られている。老杉の参道一番奥深く構えた寺院が長勝寺で津軽家累代の菩提寺である。長勝寺は1528年、種里(西郡鯵ヶ沢)に創建され、その後二代藩主信枚が弘前城築城とともに1610年現在地に移建した。そのとき領内の主だった寺院をこの寺域に集め、城の南城の要とするとともに領内の宗教文化の統一をはかったものである。なお長勝寺には本堂のほか寛永6年(1629年)信枚が建立した三門、津軽家霊廟や御影堂などがある。