国立国際美術館
2004年秋、中之島にリニューアルオープンした、現代美術を収集・展示する博物館。もともとは、1970年万国博覧会開催のときに建設された万国博美術館を利用し、30余年にわたって国内外の作品を収集・保管・展示を行っていたが、老朽化を機に現在の博物館がつくられた。地下3階(一部地上1階)の完全地下型の新美術館では、一部の作家(セザンヌ、ピカソ、エルンスト、藤田嗣治、国吉康雄ら)のいくつかの作品以外は、戦後の現代美術作品を数多く収蔵。毎月、さまざまな展示会を開催したり、講演会、シンポジウム、ギャラリートークなども常時行っている。建物の外観は、竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージしてデザインされたもの。設計は、マンハッタンのバッテリーパークにある「ワールドファイナンシャルセンターとウィンターガーデン」などを手がけた、アルゼンチン生まれのシーザー・ペリ氏。地下1階は入場無料のフリースペースになっており、多くの人で賑わう。
大阪市立東洋陶磁美術館
中之島公園内の一角にあり、世界的にも有名な東洋陶磁の宝庫「安宅コレクション」を住友グループ21社より寄贈され、1982年に大阪市が設立した美術館。その後、在日韓国人の李秉昌(イ・ビョンチャン)氏から多くの韓国陶磁が寄贈され現在に至る。国宝に指定されている油滴天目の茶碗、飛青磁の花生の2点と、青花蓮池魚藻文の壷や青磁の童女形水滴など重要文化財13点を含む約2000点の館蔵品は、東洋陶磁器のコレクションとしては世界一級のもの。自然採光を利用した展示室では、柔らかな太陽の光に包まれた美しい陶磁器を見ることができる。ビデオによる詳しい解説もある。常設展のほか、さまざまな企画展も開催。
大丸ミュージアム・梅田
デパートで買い物のついでに本格的なアートを気軽に楽しめる場として、1983年、大丸・梅田店15階に開設されたミュージアム。展示面積は226坪と、各店舗にある大丸ミュージアム内では最大。国内外の作家による絵画、工芸、イラストまで、幅広いジャンルでの企画展を開催している。過去には、パブロ・ピカソや、ジョルジュ・ブラック、アメデオ・モディリアーニをはじめとする世界的に有名な画家たちのほか、現代芸術家たちの作品などを展示。*平成20年より増床工事の為一旦クローズ後、平成23年にリニューアルオープン予定。
INAXギャラリー
大阪市中央区久太郎町にある伊藤忠ビル1F、「建築とデザインとその周辺」をメインテーマに、生活文化に新しい考え方を提案する活動の一環として展開されるINAX社のギャラリー。順回企画展は年に4回、東京・大阪・名古屋と3つの会場で行われるほか、現代美術展では、絵画、彫刻、映像表現にとどまらず広く現代美術作家の個展も行う。また、INAXガレリアセラミカは、「新鋭作家による新しい焼物の表現の場」というコンセプトのもとに、会期約一ヶ月の個展の企画・展示を開催。
湯木美術館
日本料理店「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が50年余りにわたって収集した茶道具を中心に、茶懐石の器や古美術品など約970点を収蔵・展示する美術館。御堂筋から平野町に入ったところ、吉兆平野店の跡地に建てられた8階建ビルの1〜3階部分に、昭和62年(1987)開館。「石山切」「高野切」「大燈国師墨跡」「春日宮曼茶羅」「唐物茄子茶入(紹鴎茄子・みほつくし茄子)」「志野茶碗 銘広沢」「織部四方手鉢」などの重要文化財11点も収蔵している。春季(3月中旬〜6月中旬)と秋季(9月中旬〜12月中旬)の年2回企画展示を開催。