二ツ亀
2匹の亀がうずくまっているような様子からその名がつけられました。緑の草に覆われたこの島は、沖の島・磯の島とよばれ、波のない時には陸と続き、潮が満ちてくると離れ島になります。その変化は珍しく、面白い光景です。また海水の透明度は佐渡随一を誇り、「日本の海水浴場100選」にも選ばれています。●施設概要:キャンプ場、駐車場、シャワー、脱衣所●宿泊施設数(収容人数):ホテル旅館1軒(100人)、民宿16軒(533人)
沢根崖
佐渡市沢根の質場から須川・羽二生を経て、二見に至る約2kmの海岸線は、波の侵食を受けた、通称「一番崖〜四番崖」の急崖が連続して見られます。ここは昔から近くの沢根の貝立とともに、貝類化石の多産地として全国的に知られ、多くの研究者が調査に訪れた場所です。近年は貝類化石のほかに有孔虫化石・珪藻(けいそう)化石・珪質鞭毛虫類(けいしつべんもうちゅうるい)化石の研究がなされており、多くの論文が発表されています。沢根の崖を成している地層は、研究が進むにつれて、その層序が何度か書き替えられてきました。初めは鶴子の貝立と河内付近を含めて、鮮新世(せんしんせい)の沢根層として一括されてきましたが、昭和40年代に沢根層の下部を河内層、中部を貝立(かいだて)層、上部を質場(しちば)層と命名されて現在に至っています。この崖は鮮新世最上部の質場層に位置づけられ、模式地とされています。質場層は化石の研究から、陸に近い浅い海に堆積した地層で、寒冷な海流に洗われ、陸水の影響や時には暖流の影響により、内湾に移行するような環境下で形成されたことが考えられます。このように、ここは化石の産地として学術的に貴重であるばかりでなく、同一の地層を2kmも追跡できることから、地層の堆積の仕組みを研究する上でも貴重な場所として注目されています。
大野亀
大佐渡の北の海に突出する亀形の大岩塊「大野亀」では、トビシマカンゾウの日本一の大群落が見られる。その群落の見事さは際立ち、サドカンゾウと名付けたいほど。佐渡ではトビシマカンゾウを「ヨーラメ」と呼ぶ。ヨーラメの「ヨー」は魚のこと。「ラメ」は卵をはらむこと。この花咲けば海活きかえり魚生きかえるという。この大野亀のほか、外海府海岸や真野海岸、沢崎灯台周辺などでも見ることができる。
平根崎の波蝕歐穴群
相川地区戸中の平根崎海岸にみられる、波浪によって生じた岩盤浸蝕現象(がんばんしんしょくげんしょう)の一つです。波打ちぎわにある岩盤が、強い波浪をうける場合に、岩質がち密であるときは、波の差引きによっておこる渦巻きにより、激しい浸蝕がおこなわれてくぼみが生じ、この中に礫(れき)などが落ち込むと、さらに浸蝕、研磨が早められて、直径数10cmから、数mにおよぶ見事な円形のくぼみ(甌穴(おうけつ))が形成されます。平根崎海岸の大傾斜面に見られるおびただしい波蝕甌穴(はしょくおうけつ)群は、波浪の営力を知る貴重なものです。