大野亀のトビシマカンゾウ
大佐渡の北の海に突出する亀形の大岩塊「大野亀」では、トビシマカンゾウの日本一の大群落が見られる。その群落の見事さは際立ち、サドカンゾウと名付けたいほど。佐渡ではトビシマカンゾウを「ヨーラメ」と呼ぶ。ヨーラメの「ヨー」は魚のこと。「ラメ」は卵をはらむこと。この花咲けば海活きかえり魚生きかえるという。この大野亀のほか、外海府海岸や真野海岸、沢崎灯台周辺などでも見ることができる。
長谷の三本杉
長谷寺の境内に並木のようにそびえており昔から長谷の三本杉といわれ親しまれている。周囲3m、高さ50mの古木。【長谷寺】大和の長谷寺を模したといわれる大同2年(807)開基の古刹。 世阿弥が松ヶ崎から峠を越えて長谷寺にいたったことを「金島書」に書いてます。また、日蓮上人もこの寺に立ち寄ったに違いないと考えられています。参道の至る所にあるボタンの古木が美しく、5月上旬から一斉に咲き誇り、辺りを彩ります。ここには平安期の観音3尊(国重文)や五智堂(県有形)・三本杉・高野マキ(県天然)などがあり、歴史の古さを物語るものでいっぱいです。
大佐渡スカイライン【紅葉の名所】
佐渡の最高峰・金北山と前山の妙見山を中心に、金井地区から大佐渡山脈を縦走して相川地区にいたる全長30kmの大パノラマコースの眺望は、四季折々で様々に変わっていくため、一年を通して楽しむことができます。開けた芝の広がる平原や、高台からは眼下遠くに真野湾や国仲平野、小佐渡山脈を一望することができ、佐渡が一つの島であることを実感できます。原生に近い森林が残されているため、「大自然の空気」を味わうことができます。特に紅葉の季節には木々が色づき、その美しさは最高潮に達します。
牛尾神社の安産杉
牛尾神社拝殿の真向いに聳(そび)え立つスギの神木で、『安産杉』と呼ばれています。牛尾神社は、明治32年(1899)の火災のあとの再建ですが、御神木なるが故に火災からまぬがれたのでしょう。亭々(ていてい=高くまっすぐ)とそびえ立つ「安産杉」は、樹高30m、胸高幹周6.7m、四人抱えの大杉です。「佐渡郡名木抄」(昭和24年・1949)には、「天王さんの胎(はらみ)杉」の名で「初産婦女子がこの木を抱えると安産すると申されて居りますが、御利益は経験者でなければわかりません。医学の発達した今日といえども、初産婦はよろしく神霊にすがり、安産を得ることが大切でありましょう」と、紹介されます。旧新穂村の文化財(1979)には、「安産杉、一名孕杉(はらみすぎ)。古来、子授け、安産の杉として名高い。この大杉を抱えたり、樹皮を煎じてのんだりして、子授けや安産を祈る風習がある」とのべられています。
ドンデン山のカタクリ
ピンクのつぼみは上から下へ向きを変え、うつむきのまま花を開く。その姿が可憐。ここを訪れた人々は“日本一の大群生”と賞賛する。
加茂湖の桜【桜の名所】
加茂湖は明治36年、水害を防ぐため湖口を広げ、海とつながった汽水湖。周囲17km、面積4.9km2と大きさは県内一で、越の湖とも言われた。ウォーキングトレイルやサイクリングロードが整備され、春夏秋冬いずれの季節も風情ある景色が望め、古くから歌にも詠まれている。また、カキの養殖でも知られ、湖面に浮ぶカキ棚やカキ小屋の景色も絵になる。
村雨の松
かつて、番所があったことから[御番所の松]ともよばれ、沖を航行する船舶の目標となっていた佐渡最大のクロマツの大木です。尾崎紅葉から名づけられ、夷港の象徴として親しまれています。幹回りは最大6m、樹高約16m、地上約3mのところから又大支幹に分かれ、枝張径約27m、樹容は見事な傘形をなす。
真法院の苔梅
真法院の境内にある高さ10m、幹まわり2.57m、枝はり幅は東西14mの梅の大木。花びらは、5枚であわい紅色です。幹のコケの間から花枝が出てつぼみをつけ花が咲くので「苔梅」とよばれ、順徳上皇のお手植えと伝えられています。大正7年の羽黒大火で、この苔梅も焼けましたが、現在は焼け木からの二代目となっています。
乙和池の浮島及び植物群落
乙和池は、大佐渡山脈を走る大佐渡スカイラインを登ったところにある大平高原に近い林道を600mほど入った海抜560mのところにあります。周囲の地形は小起伏を成して、自然林のブナ・ミズナラを主とする落葉広葉樹林に囲まれた静かで神秘的な場所です。県内にはいくつかの深山の天然池がありますが、周囲が高木の自然林に囲まれ、浮島が存在するものはこの乙和池だけです。しかも越後に比べて山の浅い大佐渡山脈の中にこのような池が存在することは大変珍しいことです。乙和池の周囲の樹林にはミズナラを優占種とするブナ・ハウチワカエデ・ヤマモミジがあり、これらの下にはハイイヌガヤが多く見られ、林床の草木ではミヤマカンスゲが極めて多く見られます。池と周囲の落葉広葉樹林全体で約200種の植物が確認されています。浮島の面積は約400m2で、ノハナショウブ・サヤヌカグサ・エゾミソハギ等の草木群落と2〜3mの腐食層から成り立っています。また、島の中には井戸と呼ばれる穴があって、島が浮揚する役目を果たしているといいます。この池には、池の主である大蛇に見初められて入水した乙和の伝説が語り継がれており、昔から神秘的な場所として知られています。
法乗坊の種蒔き桜
種類はえど彼岸桜で、根元周り6.9m、目通り周り4.8m。樹高21m。この地方ではまれな大木で、法乗坊の種蒔き桜と呼んで農作業の目安にしたり桜念仏や、人形上演など集落民のよりどころにして親しまれてきた。4月15日桜念仏。
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