和泉市久保惣記念美術館
明治以来、和泉市内で綿織物業を営んできた久保惣株式会社と久保家が国宝2点、重要文化財28点を含む美術品約500点(第一次久保惣コレクション)と建物、敷地、基金を市に寄贈し、開館した美術館。書画や青銅器、陶磁器など日本、中国をはじめとする東洋古美術の専門の美術館で、現在の収蔵品は総数約10,000点にのぼる。平成10年には中国工芸品とモネやルノワールなどの西洋絵画を展示する新館がオープン。本館庭園内の惣庵(非公開)と聴泉亭は、昭和12年、二代目久保惣太郎氏が表千家不審庵、残月亭を模して建てた茶室だ。ほかにギャラリー、音楽ホール、ティールーム、ミュージアムショップなども。
正木美術館
南海本線「忠岡駅」下車徒歩15分、忠岡の素封家(そほうか)・正木孝之氏が長年にわたり収集した水墨画を中心とする東洋美術品を収蔵・展示している。収蔵品は国宝3点、重要文化財12点を含む1200点を数え、とくに250点ある絵画は、その多くが鎌倉、室町時代の水墨画で、日本の中世絵画史にとって貴重なものばかりだ。本館・新館とも正木氏自身の設計により、水墨画鑑賞にふさわしく静寂な雰囲気に包まれている。展覧会は毎年春季展と秋季展の2回。水墨画、墨蹟といった禅宗文化の遺作を中心に、それと調和する工芸品、彫刻、茶道具との組み合わせによって、毎回工夫をこらしたテーマ展を行っている。